最終更新: 7 Apr 2023 | 384 ビューアー |
金属射出成形 (MIM)
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金属射出成形 (MIM) は、微粉化された金属をバインダー材料と混合して「原料」を作成し、射出成形を使用して成形および固化する金属加工プロセスです。 成形プロセスにより、大量の複雑な部品を 1 つのステップで成形できます。 成形後、部品はコンディショニング操作を受けてバインダーが除去され (脱バインダー)、粉末が緻密化されます。 完成品は、多くの産業や用途で使用される小さな部品です。
MIM 原料の挙動は、レオロジー、スラッジ、懸濁液、およびその他の非ニュートン流体の研究によって支配されます。
現在の設備の制限により、製品は金型への「ショット」あたり 100 グラム以下の量を使用して成形する必要があります。 このショットは複数のキャビティに分散できるため、MIM は小さくて複雑な大量生産の製品の費用対効果が高くなります。 MIM 原料は、多数の金属で構成することができますが、最も一般的なのは、粉末冶金で広く使用されているステンレス鋼です。 最初の成形後、原料バインダーが除去され、金属粒子が拡散結合され、高密度化されて、所望の強度特性が達成されます。 後者の操作では、通常、製品が各次元で 15% 縮小されます。
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特長
1. 小さい複雑形状の難切削部品を比較的安く製作可能です。
2. ダイカストと同程度の高精度の対応が可能です。
3. 通常焼結と異なり、 3次元の複雑形状の成型が可能です。
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射出成形体とMIM焼結体
左が成形体、右が焼結体です。等収縮の為、高精度の製品が得られます。
MIM
密度95%以上で、空孔は丸い独立した形をとっているため、機械的強度が優れています。
通常焼結
密度88%程度で空孔が結晶粒界に沿って多く点在しているため、機械的強度が劣ります。
ねじり、曲げ等、溶製材と同等の性質を示します。(写真はSUS304 品)
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製造プロセス
01 原料
02. 混練 : 金属粉末と有機バインダを混練し、コンパウンドする。
03.射出成形 : 加熱したコンパウンドを金型内部に注入し、成形体を製作。
04.脱脂 : 成形体から有機バインダを取り除く。
05.焼結 : 高温にて高密度の焼結体を製作。
06.検査 : 品質を満たしているか様々なチェックを行い、完成。
14 Mar 2023